待ち受けカノジョ。



確かに桃香の言う通りだった。


図書室で返却された本を棚の定位置に戻していると、

「滝山クーン!」

「あれ?滝山クンは?」

ひっきりなしに女の子達の声がした。


ふーん、やっぱモテるんだ…


そして帰り際、いちいち私をチラ見しては、わざとらしくヒソヒソ言って部屋を出て行く女の子達。


聞こえてるよ

『ダサ井のくせに』って。


黒ゴムで一つに結んだだけの長い髪

赤ぶちメガネ

膝下丈のスカート

白ハイソックス


ダサいよね…自分でも分かってる。


なのに、なんで私なんかにチェック入れてるの?

同じ委員会で同じ当番だから?


それにしたってこんなダサい女、イケメンチャラ王子が相手にするワケないのに。



やっと棚に戻し終えて、今度は入ってきた新刊をパソコンで入力する。


パソコンなんて慣れてないし、やっぱり一人じゃホントにタイヘン。



でも、頑張って終わらせなくちゃ!

だって、今日は――
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