待ち受けカノジョ。


「千夏には『自分でやった事にして』って頼んだんだけどさ、なぜか口コミでどんどん広まっちゃって、そのうち他の子がオレに相談してくるようになったんだよ」

「そうなんだ…」


あれ?ちょっと待って。


さっき、おじさんが確か『紹介料』って言ってた。

ってことは…


「ねぇ、滝山くん。もしかしてだけど」

謎はすべて解けた!…気がする。


「学校で女の子達にチヤホヤされてるみたいだったのは、実はファッションの相談をされていたという事ですよね?」

「ハイ、そうです」

「滝山くんは、その中から順番に女の子を一人選んで、おじさんかおばさんの店に連れて行き、“紹介料”を受け取っていた…違いますか?」

「ス、スミマセン!その通りです、刑事さんっ!」

刑事ドラマか!


「だって、それがオレのバイトなんだも~ん!」

バイトか、なるほどね。


「でもさ、そうすると、女の子達は喜んでくれるんだよ。それに、店にお客さんが増えれば父ちゃんも友美さんも喜んでくれる。オレは、みんながそうやって喜んでくれるのが、スゴイ嬉しいんだ」


初めて見る。


滝山くんの、こんな眩しいくらい輝いた笑顔。

ただチャラチャラしてたんじゃないんだね。


「…ごめんなさい。私、滝山くんの事陰で『チャラ王子』って呼んでました」

「えええ!?なにソレ!ちょっとヒドくない!?」
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