待ち受けカノジョ。
病院の入り口で、急いでいる様子の奈緒のおばさんとバッタリ会った。


「あら!また来てくれたの?ありがとうね」

相変わらず、やつれた白い顔のおばさん。


「これからパートに行かなきゃいけないの。急に変わってくれって言われて。申し訳ないけど、奈緒を頼んだわね!」

「分かりました。いってらっしゃい!」

「あ!そうだ。部屋に森田さんいらっしゃってるから」

そう言うとおばさんはバタバタと走って行った。


「よかったじゃん、奈緒!やっと会えるね!」

「うんっ!」

奈緒の満面の笑顔。


こんなに『好きだ』っていう自分の感情を素直に出せるなんて、なんだかうらやましい。


オレは急ぎ足で奈緒の病室に向かい、ドアをガラッと開けた。

「こんにち…」


そこでオレは、


とんでもない光景を見た。
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