待ち受けカノジョ。
高校を卒業した私達は、それぞれの道を歩む事になった。

私は、洋裁の専門学校へ。

順子は、大学に進学。

義明は、一流スポーツメーカーに就職して地方に配属された。

恭平は、美容師になるために昼は専門学校へ、夜は知り合いの美容院で研修。

毎日毎日自分の事に忙しくて、私達はたまにしか会えなくなっていたっけ。


だから、驚いたのよ。

順子から「恭平と付き合うことになった」って言われた時は。


それにね、順子には内緒にしてたけど、私は義明の気持ちを知っていたんだ。

義明はずっと、順子のことが好きだったの。

でも義明は、順子が恭平のことを好きなのに気付いてた。

だから義明は自分から志願して、遠く離れた地方に行ったんだよ。



順子と恭平が付き合い始めてから、順子から呼び出される回数が多くなった。

よく泣いてたよね、順子。

お互い忙しくて、なかなか2人の都合が合わない上に、恭平は休みの日に女の子とチャラチャラ遊んでたから。

順子は普段は精神的に強い子なのに、恋愛のことになると、とたんに脆い心を見せた。

でも私が「いっそ別れた方が幸せなんじゃない?」と言っても、絶対に首を縦に振らなかったよね。

順子は、自分の信じた事には頑固な面もあったよね。
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