待ち受けカノジョ。
離婚してからのお母さんは、

『自分は死ななきゃいけない人間なんだ』と、

毎日のように嘆いていたらしい。


時間を重ねるごとにだいぶ落ち着いたのは、

義明おじさんの献身的な看病があったからだそうだ。


オレの写真を見ながら、成長を楽しみにするようにまで回復したんだけど、

ふとしたキッカケであの夜の事を思い出すと

今でも壊れたように取り乱してしまうんだ、と。


「いつまでも過去に捕まってもがいている順子を、私が助けられたら…と思ったの。もちろん、夢にうなされている順平もね」

友美さんの話を無言で聞き終えたオレ。


義明おじさんとお母さんが、幸せそうに寄り添う姿が頭に浮かんだ。
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