待ち受けカノジョ。
「ちょっと順平!アンタどうしたの、ビショビショで!その足も!」


店の前でオレを見つけた友美さんが、ビックリして言う。

目線を落として足を見ると、ジーパンの膝が破けて血がダラダラと流れていた。


「あ」

気が付かなかった。

「大丈夫。さっきハデにコケただけ」

「まったくオマエは何やってんだ。バカ息子が!」

店のシャッターを閉めながら、父ちゃんがニヤニヤ笑う。

「どーせバカですよ!」

笑い合う2人の前を早足で通り過ぎ、階段をのぼる。


力を振り絞れ、オレ!


もうすぐなんだ。

もうすぐ…

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