待ち受けカノジョ。
「みんな、だいぶ前から気付いてたよ?うちらみたいな女の子全部スルーしてきた滝山順平は、きっとダサいタイプの子が好きなんだろうなって」

みんながうんうんとうなずきながら、口々に言い合う。


「それも『磨けば光る系のダサ子』にね!」

「思ってた通り、ダサ井を意識するようになったから、ある意味ウケたし!」

「だから、ダサ井が滝山クンの気持ちに気付かないように、ダサ井にチェック入れてたのになぁ~」

「滝山クンに彼女ができたら、うちらはジャマな存在になっちゃうもんね」


次々と明らかになる事実に、オレはただボーゼン状態。


千夏がオレの襟足をつまんで持ち上げた。

首をつかまれた猫みたいに、おとなしく立ち上がるオレ。


「…で?どうなの?滝山順平。ダサ井の事、本気で好きなの?」

「宣言しちゃいなよ!」

「ハッキリさせちゃえばいいじゃん!」

「うちらジャマするつもりはないから!」

「ホラ、言っちゃえよ!」


ひやかしだか激励だか何だかわからない言葉を浴びせられて、頭がぐるぐると混乱した。

「わ…分かったよ、言うよ!!」


ヤケクソだ!


「オレは奈緒が好きだよ!でも、奈緒は…」


奈緒は、もう…

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