待ち受けカノジョ。
「あ、そうだ。スマホ買ったんだ」

「え?どれ?見せて!」


ケツポケットから取り出したのは、あの日
買う予定だったスマホ。


薄汚れたレアめくストラップがぶら下がっている。


指でタッチしてカメラモードにした画面を、サッと奈緒の方に向けた。

パシャッ!

「あっ!ちょっと!!」

「へへ、奈緒の顔バッチリ撮ったもんねぇ~!」

ハイ、保存っと。


ふくれっツラの奈緒が言う。

「また携帯に入っちゃったらどーするの!?」

「その時は…」


オレは奈緒の体を引き寄せ、唇に不意打ちキスをした。

パシャッ!


「2人で待ち受けになっちゃえばいいよ!」

「もう…バカ!」
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