待ち受けカノジョ。
「ちょ!い、いいってば!たいしたケガじゃないし!だから泣かないで…」

ガラッ!

「うわあっ!!」


いきなりドアが開いて、オレは飛び上がりそうになった。

しれっとした顔の成田さんが普通に入って来る。

ったく、ノックなしかよ!


「ハイ、点滴終了ね~」

手早くオレの腕から針を引っこ抜いて、点滴セットをテキパキ片付け始めた成田さん。

心臓のバクバクに気付かれないよう、平然を装うオレ。

「じゃ、明日は頭の検査だから。そのチャラい髪剃ってボーズにするからね!」

「ええええ!!」

ウソだよ、というような含み笑いをして、成田さんはドアに手をかけた。


カラカラカラ……パタン


まったくもう、あの人は!

布団の中に隠した携帯をまた取り出す。

「あのさ、さっき…」

ガラッ!!

「うわっ!ちょっ!」

携帯がお手玉みたいに両手を行き交う。

ニヤニヤ顔を覗かせる成田さん。

「彼女と愛を語り合うのもほどほどにね~」

「ち、違いますってば!!」
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