待ち受けカノジョ。



…なんなの?アイツ。


何?『用事』って。

何?『ムリ』って。

今日は図書委員の当番の日なのに。


また逃げやがったな、あのサボリ魔!

ひとりで仕事片付けるのタイヘンなんだからね!


私は肩をストンと落とし、フウッとため息をつく。


また言えなかった……


滝山くんの存在に気付いたのは、入学式。

言えないまま、もう3年になってしまった。


いつもこうやってタイミングを逃しちゃうんだよね、私。


せめて、アイツが当番サボらなきゃ言えるんだけどな。


ずっと…伝えたくて。

『あのこと』を―――
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