待ち受けカノジョ。
ベットの上にあるいつもの部屋着をはいて、机の前に座った。


「ねぇ、滝山くん」

「ん?」

「昨日からメールがいっぱい来てるんだけど」


ああ、そういえば。

「51通だよ!しかも、女の子の名前ばっか!」


ん?ってことは…


「あのさ、オレがメール見たら、内容も全部奈緒に見られるんだよね?」

ひきつった奈緒の顔。

「う、うん、見えちゃうかな…テヘッ」

テヘッって!

「なんだよ、もう~。プライベート丸見えじゃん!」


自分の彼女にこっそり携帯を見られる彼氏の気持ちって、こんな感じなんだろう。


「だって見えちゃうんだもん!私だって見たくないよ!」

口を尖らす奈緒。

「まぁ、いいよ別に。たいした用じゃないだろうし」

ため息混じりで返事をするオレ。


「え?そうなの?」

「じゃ、見てみる?」

「…いいの?」

申し訳なさそうに言う奈緒。


だって、しょーがないじゃん。

ねぇ?
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