待ち受けカノジョ。



「はぁ……」


校庭をバカみたいに走ってすっかり小さくなった滝山くん。

その姿を目で追いながら、私はまたため息をついた。


何?さっき桃香が言ったこと。

意味が全然分かんないんだけど。


ま、とにかく。

めんどくさい人と相方になってしまったのは間違いない。

だったらいっその事、ひとりで当番やってた方がマシだ!


「あれ?滝山クンもう帰ってんじゃん!」

「えー、ウチの順番いつ回ってくんのー!?」


カン高い声で話す知らない子達とすれ違い、私はひとり足早に図書室に向かう。


なんか分かんないけど、だんだんムカついてきた。


…もう、いいや、

『あのこと』は。

言わない方がいい。


どーせ、忘れちゃってるよ。


私も早く忘れてしまおう…
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