待ち受けカノジョ。
父ちゃんが経営する美容室

“ever girl(エバーガール)”は、

オレんちのマンションの1階にある。


全面ガラス貼りで店内は白中心、

良く言えば「オシャレ」

悪く言えば「ありがち」な、

特にインパクトもないフツーの店。


ここでオレは、アシスタントのミナミさんの練習台になっているのだ。



ハラハラと落ちるオレの茶色い髪。

ミナミさんの真剣な表情と瞬き。

すばやく動くハサミと白く細い腕。

そして、ほのかな香水のかおりと、柔らかい息づかい。


こうやって鏡越しに映るミナミさんを、もう何度見つめただろう。


―――時間が淡々と過ぎる。



さようなら、スマホ。

今日はこのまま、ミナミさんに見惚れることにします。


また、明日…
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