それでも、いつか。
「お-腹減ったぁ!」
やけに長ったらしい授業も終わりお待ちかねの昼休み。
「お腹減りすぎて三途の川見えてた よぉ」
「永空[とあ]、大袈裟」
机にぐだ-っと項垂れる私を笑ってるのは、親友の七海。
私は項垂れながらも、やっと空腹から抜け出せる爽快さからか、無意識に鼻歌なんか口ずさんじゃったりしてる。
七海と一緒に「いただきます」をした後、ハムスターの如くお弁当を口に平らげる。
うん、おいしい!
黙々と食べる私に七海は言った。
「ホント何でも美味しそうに食べるよね、永空」
「だぁ-っておいしいんだもぉ-んっ」
お弁当にがっつきながらも、少しの間いつもの様に七海と談笑していた。
「あっそういえば、永空に聞きたいことあったんだ!」
「ふえ-?なに-?」
「永空ってさ、好きな人とかいないの?」
「ぶほっ」
「ちょ、大丈夫?!」
咳き込む私を七海は撫でる。
…いきなり何を言うんだろ七海ってば。
「いないよそんなの」
「え-、なんで?」
「好きな人がど-たらとか言う前にさ、出会いがないんだもん」
「あ-永空は理想が高すぎるんだって」