糖度∞%の愛【編集前】
「謝らないで、それだけ私のこと好きって証拠じゃない」
からかうようにそう言えば、勢いよく顔を上げた彼方が呆けたように私を見つめた後大きな溜息を吐きながら顔を思いっきり反らした。
暗がりだから分からないけれど、その耳が若干赤いのは私の気のせいじゃないはずだ。
「そうでしょう?」
答えのない彼方に畳みかけるようにそう問いかければ、若干投げやりな感じで、でも否定はしなかった。
「そうですよっ、好きだから合コンなんかに行ってほしくないんです」
「うん、私も彼方が合コンなんて行ったらいやだもん」
「あー……、すっげぇ沙織に手のひらの上で転がされてる気がする……」
片手で髪の毛をグシャグシャとかき混ぜながらのセリフに、思わず笑ってしまう。
最初こそ余裕の態度で、相当経験積んでるんじゃないかと思った彼方は、最近じゃ時々こうやって年下らしい一面をふとのぞかせる。