糖度∞%の愛【編集前】
そんな私に気づいていないのか、気づいていながらも敢えてスルーしているのか分からないけど、コイツは尚も言葉を続けた。
「好きなんです。心から。」
黒くて、でも少し藍がかった瞳が私をじっと見つめる。
その熱い想いに絡め取られて、その黒に吸い込まれるような錯覚に陥る。
唐突に、これが本当の“惹かれる”ということなんだ、と理解した。
私はコイツの告白の言葉すべてに、どうしようもないほど“惹かれて始めてる”。
「……沙織さん?」
黙ったままの私を怪訝に思ったのか、少し首を傾げて見下ろすコイツに、不覚にも自分の顔が朱に染まるのが分かった。