糖度∞%の愛【編集前】
その切り替えの早さに半ば唖然としながらも、相談に乗ってくれる気になったその気まぐれを逃さないうちに、「それもちょっと違う、」と答えた。
幸せすぎて怖い、とかそういう乙女チックなことじゃない。
そうじゃなくて……。
「……アイツが沙織に愛想尽かせて離れて行ったあとを怖がってるわけ?」
オブラートに包んで説明しようとした心情を、真帆はズバリ言い当てた。
こういう、遠慮をしらない物言いが結構好きだったりする。
「そう、なんていうか私にとって恋愛って永遠に続くものじゃないんだよね」
「……それは身体のことがあるから?」
それにコクリと頷く。
「私自身この身体のせいで色々理不尽な扱いとかされてきてるし、このせいで恋愛も長く続かないし」
「今のカレが最長記録だもんね」
真帆の言葉にまた頷く。
会社の社員食堂で、しかも昼休みだから周りの耳もあって彼方の名前も“病気”という言葉も出すことができない会話。