糖度∞%の愛【編集前】
それでも終業後まで待てなかったのは、胸の内にくすぶっている不安を抱えていることに限界が来ていると真帆が察知して、食堂の片隅で半ば無理矢理に聞き出されたからだ。
「ここまで一緒にいれる彼氏ができたのも初めてなら、ここまで身体を理解しようとしてくれる彼氏も初めてで」
ポツリポツリ零す胸の内にためていた不安たち。
それを真帆はじっと私の目を見ながら黙って聞いてくれている。
「だからこそ、この恋愛が終わった後、私はもう恋愛ができないんじゃないかって思えて怖い」
「……なんで終わりを考えるの?」
鋭い指摘に、一瞬言葉を飲み込んで、それでも素直な気持ちを吐き出す。
「それは今まで別れのない恋愛がなかったから。 期待しては裏切られて、信じてもいいのかなって思ったそばから別れて」
「それはアイツが可哀想だね、信じてもらえてないんだから」
「わかってる。 そう考えることがアイツにすごく失礼なことなんだってことも」
「それから私にも失礼だわ」
「……それも、わかってる」
いま私が真帆に言ってることは、真帆もきっといつか離れていくんでしょう?と言ってるも同然だからだ。