糖度∞%の愛【編集前】
「それでも私はアンタを好きだし、そうやって悩んで自己嫌悪してぐるぐるしてるアンタをなんとかしてあげたいって思うのよ」
「っ、」
真帆の言葉に、胸がツンとして目頭が熱くなった。
ここは会社だ、泣くわけにはいかない。
なのに、どうして…。
「俺だって、そんな弱い沙織さんも大好きで可愛くてしかたないですよ」
ふわりと、背中が温かいぬくもりで包まれた。
私の身体を挟むようにして大きな手がテーブルに置かれる。
抱きしめられているわけじゃないけど、そうされている状況に限りなく近くて。
恋人のふれあいじゃないけど、でも会社の先輩にする行動ではないこの状況。
事実、周りの視線が私たちのテーブルに集まっているのが見なくてもわかる。
それでも私は顔を上げられない。
真帆の言葉に、彼方の言葉。
二人の言葉で、私の目からはあり得ないくらい涙がこぼれていた。