糖度∞%の愛【編集前】


私たちの会社は、ロッカーに鍵がついてない。

ただ、ロッカー室の中には監視カメラがあるので、もしなにか事件があればその映像が証拠となる。


でもこういういじめというか性質の悪い嫌がらせでも、その映像を見せてもらえるのだろうか、なんてどうでもいいことを考えてしまう。

実質私の身体にはなにも被害はないし。


開けっ放しの自分のロッカーを閉めて、手の中の数枚のメモを綺麗にまとめてた二つ折りにして、持っていたクリアファイルの中に挟んだ。


「捨てないんだ?」


ふぅん、と私の行動を見ていた真帆に言われて、「一応証拠として保管」と答える。

手書きだし、仕事をしている書類の中から似た筆跡を見つけられるかもしれない、なんて薄い望みを持ってみる。

実際、書類はすべてPCでできているから、手書きされてる書類なんて数えるほどしかなくて、その中から見つけることは難しいと思うけど。

一応のため、捨てないでおく。

< 38 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop