糖度∞%の愛【編集前】


「で? 当たり前に五月女には相談しないワケだ?」


私の行動を寸分違わず読むことができる真帆が、今回も外れることなく言い当てたので「悪い?」と開き直る。


「悪かないけど、そこで頼ってほしいのが男なんじゃない?」

「でも、そこですぐに頼りたくないのが年上としての意地じゃない?」

「……一理あるわな」


ふむ、と頷いてロッカーを閉めた真帆に、「言うなよ」と念のために口止めしておくけど、真帆は「断言はしかねる」と飄々と嘯いた。








「…同じ手口しか使えないのか。」


思わず呆れてそんなセリフが口をついて出た。

あれから数日たっても同じことが繰り返されていて、今日も帰り支度をしようとロッカーを開ければ、またメモ用紙がこれでもかというほどびっちりと貼り付けられていた。

ご丁寧にテープで。

ポストイットを使わないでテープを使う手間をかけるなら、テープの端を折って剥がし易くしておいてくれるとこっちは助かるのに、と心の中で文句を吐きながらテープの角をカリカリと爪でひっかけて剥がしにかかる。

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