糖度∞%の愛【編集前】
綺麗に取れるのもあれば、斜めに切れてまた角をカリカリしながら取らなくちゃならないのもある。
別にこんな幼稚染みた嫌がらせ、なんてことはないんだけど。
それでも、やっぱり他の女から見ても彼方はいい男なんだ、と逆に鼻高々になる私は結構彼方に愛されてる自信がついてきたのかもしれない。
こんなことされて、自分を卑下して卑屈にならないで、逆にそんなに嫉妬されるほどの男が自分の彼氏だと自慢できるようになったのは、やっぱり食堂の一件があったからだ。
それがなかったら、今こうやって余裕を持ってテープを剥がしてなんかいられなかった。
「うーん、書いてある内容も大して変わらないな。 もっとバリエーション豊かな発想はないのかな」
剥がし終えたメモを一枚一枚目を通して、感想を一人ごちる。
今じゃメモ用紙をまとめておく専用のボックスまでロッカーの中に常備するようになった。
そのボックスの中に今日の収穫を入れて、さあ着替えようとしたところで初めて、ロッカーの中がいつもと違うことに気が付いた。