糖度∞%の愛【編集前】


朝、出社するといつものようにロッカーにはメモ帳。


「午後には、って言ってたもんね」


ふと昨日のことを思い出してしまって、緩む口元を引き締めながらセロハンテープをカリカリと剥がして、いつもと同じボックスの中にしまう。

結局昨日のコートは“善処はしてみますが期待はしないでください”と、クリーニング店から言われてしまって、一緒についてきてくれた彼方が、「もし落ちないようなら俺がプレゼントします」と言ったのを全力で遠慮した。

今日真帆に会ったら謝っておこう、と決めてロッカーを閉めて部署へと向かった。


部署内に入ると、すでに出社していた人たちが一斉に私を見た。



え? なに?


そんなに見られても、訳がわからなくて目を白黒させるしかない私に、様々な視線が注がれる。


理由を聞こうにも、真帆はまだ出社してないし、彼方のデスクには鞄はあるものの姿が見えない。

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