糖度∞%の愛【編集前】
「かっわいそー」
昨日のことを、いつもの様に昼休みに食堂で真帆に相談してみたら、半眼で見られながら一刀両断されてしまった。
「だって、」
「キスをしかけるだけ仕掛けて、そのうえ何も心の内を話さないで、あまつさえエッチもさせてあげないなんて、五月女君かわいそすぎるー」
反論しようとして、真帆の“かわいそう”が指すことを理解した途端思わず「そっち!?」とガラにもなくつっこんでしまった。
そんな私を鼻で笑って、
「でも、何か悩んでるってわかってるのに話してもらえないことの方がすっごくかわいそうだけどね」
と結局は核心をついてくるから、今度はぐぅの音も出せなかった。
「一昨日のアレが沙織の中ではネックになってんでしょう?」
ズバリの指摘に、ただコクリとひとつ頷くけど、ふと視線をやった先にまた一昨日と同じように腕を組まれた彼方が食堂に入ってきて、私は視線を落としてグッと拳を握って手のひらに爪をくいこませて、胸の内に渦巻く感情をこらえた。