糖度∞%の愛【編集前】
「お疲れ」
言葉とともに置かれた湯気をたてているお茶の入った紙コップ。
パソコンを見すぎてシパシパする目を、何度か瞬きをして潤してその紙コップに口をつけた。
夢中になりすぎていたせいで糖分補給さえ忘れていたことに気付くけど、低血糖症状も出ていないから慌てて糖分を摂取しなくても大丈夫だろうと判断する。
「もうこんな時間なんだ」
飲みながら視界に入った壁時計の針は、すでに9時を回っていた。
「あんた休憩なしでひたすら仕事してたからね、私が声かけなきゃまだやってたでしょ」
私のデスクに腰を掛けて呆れたように溜息を吐く真帆に、図星なだけに苦笑いしかできない。
「それにしても徹底的ね」そう言った真帆の言葉が、何をさしているのかはよくわかっている。
あの昼休みのことがあってから3日目の今日まで、私は彼方を徹底的に避けていた。
メールや着信も拒否はさすがにしていないけど、開いてないし出ていない。
それを真帆は言っているのだ。