糖度∞%の愛【編集前】
「……離して」
静かにそう訴えれば、
「話をちゃんとしてくれるなら離します」
と、ここにきて強気に出る彼方。
どうしてそういう強気な発言をもっと早くにできなかったのか、と言いたいのを堪えてひとつ溜息をついてまっすぐに彼方の視線と向き合う。
「悪いけど、今ちょっと低血糖気味で早く食事をしたいの。 離してくれる?」
そう言えば彼方は諦めると思ったのに、彼方は腕を話すことなく「じゃあ俺も一緒に行きます」と食事への動向を申し出た。
……だからどうしてその強引さを最初のうちに出せなかったの?
こうやって追い詰められてギリギリになるまでなにもしなかったくせに。
でも、その言葉すら言えない私はどうしようもなくバカで、「勝手にすれば」と吐き捨てて部署の電気を消した。