糖度∞%の愛【編集前】
小気味イイ音が個室に響き渡る。
瞬間にゲラゲラと笑い出す真帆。
パッと顔を上げた彼方は、笑えるくらい間抜け顔で頭を押さえながらやっと私と視線を合わせてくれた。
「なっ、今、なんでッ、……沙織さんっ!?」
余程叩かれるとは思っていなかったのか、彼方の言葉はまとまっていなくて、ただすごく驚いているんだということは伝わった。
だけど私はそんな彼方に構わず、低い声で彼方に詰め寄った。
「“ゴメンナサイ”は?」
へ?と呆ける彼方に、もう一度同じ言葉を繰り返す。
彼方はそれでも素直に、「ご、ごめんなさい」と口にしたから、笑顔で「許す」と言ってやった。