水色の恋
前の席は………、
加奈だった。

「また、仲良くなれるといいな……。」


加奈とは、小学校6年まで大親友だった

清花の初恋の「大樹くん」が、加奈の事を好きになるまでは……。


「大樹くん…………。」
清花は呟いた。

ビクッ。

いつの間にか、前の席には加奈が座っていた。

加奈の肩が動いたのは、気のせいだろうか…。


「おはよう、加奈。よろしくね!」

「……おはよ、清花。久しぶり。」


加奈は、可愛いというより綺麗や、美人という方が似合っていると思う。
整った顔立ちが、中学生とは思えないほど、大人っぽくて……。
だけど、笑うと、誰もが癒されるような笑顔を見せる。


仲良くしてね。
そう言って笑うと、加奈も笑い返してくれた。


いつのまにか隣の席に、向井翔太が座っていた。

「…一ノ瀬清花……。清花、おはよ!!」
翔太は、いきなり呼び捨てで呼んできた。

「おはよう。向井くん、下の名前で呼ばないで。」
仲良くもない男子に下の名前で呼ばれるのは、不愉快だ。


「じゃあ、清花チャンは…?」

「チャンをつけるなら、まだいいよ。」

「おしっ!!じゃあ清花チャンね♪」


よろしく〜!!と、言う向井を見ながら思う。

『チャラさが予想以上だ………。』

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