scar-傷痕-




「ッ!?」


目が覚めると、そこは見慣れないベットルームだった。
全体を木で統一した和室とも言える不思議な部屋。

暖かい色の伝統に心なしかホッとする。

荒い息を繰り返していると冷たいなにかが額に触れた。


「ようやく気が付いたかバカ」


ベットの脇に腰掛けてあたしを見下ろしていたのは黒髪に黒い瞳のイケメンさん。

あぁ、冷たくて心地いい何かはこの人の掌だったんだ。


「……………だれ?」

「…あ゛?」


いや、待って。
あの機嫌を損ねた眉間のシワには見覚えがある。

未だぐるぐるしている頭で無理矢理考えて答えが出た。


「…キャバクラ初の神田さん!」

「ぶっ飛ばすぞテメェ」


物騒な台詞。
くすくす笑いながらあたしはさっきまでのことを思い出していた。
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