スーパーフォアと生徒会長

空いている高速道路を、少し飛ばし気味に縦列で走る。

体に風を浴び、メット越しにエンジン音が耳に入る。

夏なのに肌を隠す格好をして、きつくて視界の狭いフルフェイスをかぶっていても、俺の気持ちは高揚していた。

一つ目の理由はバイクが好きだから。二つ目は久しぶりの海だから。

三つ目は、千浩ちゃんと一緒だから。


*サービスエリア。


ヒャウゥゥゥ‥
ボボボボボ‥

二台並んでバイクを止める。


「ふぅーっ、フルフェイスきっつー。ってか幸大お前飛ばしすぎ!こっちあんまり飛ばすと擦りそうで怖ぇよ」


*達也の愛車マジェスティはローダウンされている故。


「へっ!スクーターなんてツマラナイものに乗ってるおめーが悪い」

「おめーにつまらないなんて言われる筋合い無いぞー!!」

「ミッションの無い乗り物なんてつまんねぇよーだ!」

『やめ ないか/なさいよ お前ら/あんたたち』


*女性陣の一言で二人はピタリと固まった。


見事にハモってたな今。


「それにしても、暑くなってきたな…」


少し火照った顔でそう言う千浩ちゃんが色っぽい。


「そうねぇー、風受けててもあまり涼しくないっていうか」


*バイクは一見涼しそうだが、夏などに乗ると結構暑いものである。


*この後タンデムに乗る女性を入れ換えて二台は出発した。


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