空人
雲と僕
僕は なにかあると雲をみる
嬉しいときも
悲しいときも
とにかく雲をみる
そのたびに雲は
嬉しい顔
悲しい顔をしている

ある日
僕は 泣きたいぐらい落ち込んだ
ふと 雲をみると
雲は 今にも泣き出しそうな顔をしていた
僕は無性に腹が立った
同じ顔をするな

僕が怒ると
雲も怒った顔をした
同じ顔をするな

僕はなんとかして
雲の顔を変えようとした
雲は 頑としてゆずらない
僕と雲はムキになって
しばらく格闘した

どれくらい経ったのだろう
僕は疲れて
地面に寝ころがった
その瞬間 雲と目があった
どちらともなく
ニヤリと笑っていた

僕たち 一体何をやっているんだろうね
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