最弱!?なカレ
「あ、家ここです」
あたしはマンションを指差す。
「え、まじで?」
那月君は驚いた顔をする。
「オレもここ」
そう言って口角をあげると、そのままマンションに入っていった。
「何階?」
那月君はエレベーターの前で止まる。
「6階です」
「オレも6階だよ。なんで今まで会わなかったんだろうな」
さわやかに笑う那月君。
「あ、それは多分…あたしが階段を使うからじゃないかな?」
あたしの部屋は一番奥で、階段が近い。
「は?階段??6階なのに?」
那月君は『なに言ってんの?』とでも言いたげな顔をしている。
「あたし、エレベーター嫌いなんだ。あは…は」
あたしは苦笑いを浮かべる。