最弱!?なカレ
「…あ…まの、さん…」
「へっ!?」
あたしはいきなり自分の名前を呼ばれ、変な声を出す。
立ち膝になり、那月君を覗き込んだ。
綺麗な黒髪。
整った顔。
長いまつげ。
薄く伸びた妖艶な唇。
熱くて顔を出しているセクシーな鎖骨。
そしてスッと布団から出てきた、細いけどしっかりした腕。
あたしはその腕、いやその手を両手で掴む。
「大丈夫だよ…」
手が熱い。
これは那月君の手が熱いから…。
でもその熱はあたしの手を伝い、心臓に達し鼓動を速くする。
それはやがて顔まできて、顔を真っ赤に染め上げる。