Tenjin graduation
思えば彼はソフィアの親友であり、彼氏であり、放っておけない弟のような存在でもあった。

いつだって一緒で、振り向けば、視線をずらせば、見上げれば、何時でもそばにいて。

自分以外の誰かに懐いていると、柄にもなくヤキモチなんて妬いてしまう。

それほどに大切な存在だった。

「……っ」

ふと、視線を下げるソフィア。

黒猫の乗る彼女の肩が、微かに、小刻みに震える。

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