Tenjin graduation
「三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます」
よく通る透き通った声で、生徒会長は告げる。
「何かと騒々しく賑やかな天神学園で、先輩方の温かい眼差しがあってこそ、私は生徒会長という大任をまた一年間務める事ができました。本日までのご指導、本当にありがとうございます。そして何かと至らない私を今日まで支えて下さり、大変感謝しております」
卒業生に向けられている筈の感謝の言葉の数々。
しかし生徒会長の見えない筈の視線は。
「!」
唯一人、大勢の中でたった一人だけ、遥にのみ向けられていた。
よく通る透き通った声で、生徒会長は告げる。
「何かと騒々しく賑やかな天神学園で、先輩方の温かい眼差しがあってこそ、私は生徒会長という大任をまた一年間務める事ができました。本日までのご指導、本当にありがとうございます。そして何かと至らない私を今日まで支えて下さり、大変感謝しております」
卒業生に向けられている筈の感謝の言葉の数々。
しかし生徒会長の見えない筈の視線は。
「!」
唯一人、大勢の中でたった一人だけ、遥にのみ向けられていた。