Tenjin graduation
「大体気に入らねぇんだよ功刀ぃ」

バシッと功刀の手を払いのけ、龍太郎は彼を見上げる。

「そんなデケェ図体して、何でゲージツ家なんだよ!」

「あぁ?」

穏やかに笑みを浮かべて、血気盛んな下級生を見据える功刀。

「そんだけガタイよくて、力もあって、喧嘩も強くて…何でてめぇみてぇな男が生徒会の役員やってたり、絵描きなんかやってたり…天神学園牛耳る器じゃねぇのかよっ!」

これほどの男が、一生徒として小さくまとまったまま卒業していく。

龍太郎にはそれが納得できないし、理解できない。

「わかんねぇか?だからおめぇは餓鬼なんだよ龍太郎」

また頭を鷲掴みにして、捏ね繰り回す。

「触んなっつってんだろぉおおっ」

嫌がりつつも、何となく抵抗できない龍太郎に。

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