SpringLove ~桜みたいに甘い恋~
ガラガラッ
「こらぁーーー!!」
学校中に先生のどなり声が響き渡った。
「すいませぇーん」
「いやぁー教室わからなくてぇ~しょうがなくないですか?」
いいわけをつづける千昌。いやいやあなたが20分もおくれたんでしょ。
「とにかく立花さん、藤岡さん。先生は出席表だしてくるからそれまでバケツもって廊下に立っときなさい」
「はぁーい」
くせ毛でめがねをかけたおばちゃん先生、白田寿美江先生だ。
「入学式そうそうおまえらもバカだなぁ~(笑)」
一番ドア側の前から2番目の席から顔を出してわらっているのは、千昌と幼なじみの日向泉。
二カっと笑ったときに見えるチャームポイントの八重歯がまた見えていた。
「うるさぁ~い、なんで泉もC組なわけ?」
「こっちのセリフだよ、くそちびあき!」
「もぉー!」
ケンカするほど仲がいい、この言葉は二人の為にあると思うくらいケンカしては仲直りを繰り返している。
「よぉーし二人とも席について」
「はぁ~~い!」
やっと終わったぁ。
あたしの席は真ん中の列の前から2番目、千昌が前だった。
「いまから入学式がはじまるので体育館へいどうします、廊下に並んで!」

―廊下―
「千昌後ろいこぉ」
「うん」
あたしは千昌の手を引いて後ろのほうにいった。
「きゃぁーーーー」
後ろのほうから女の子たちの声が聞こえた。
「なになにぃ?」
人ごみの隙間からのぞきこんでいると、
「あぁなんかE組に佐賀県から来たっていうイケメン君がいるんだってさっ」
知らない男子二人組の一人が教えてくれた。
スラっとしたスタイルでありゃあたしの頭1つ分は大きいなぁ。
整った眉毛に綺麗な目、高い鼻…すべてが完璧なようにおもえた。
こういう人のことを女の子は王子様と呼ぶのかなぁ。

「教えてくれてありがとう」とか「ほんとだ、かっこいいねぇ」とか…
だけど、人見知りのあたしは
「ふーん。」
またやってしまった。中学生からは誰にでも明るく声をかけようと思ってたのに…
「ほんと、かっこいいねぇ。あの子の周り女の子ばっかだ・・・」
千昌は目をまんなるにしてじーっとみていた。
「その隣は?」
また後ろから声が聞こえた。
「あいつは元星坂小の佐久間洸。こうちゃんってみんなから呼ばれてたんだって。男子からも女子からも人気者らしいぞぉ!」
泉君が得意げに話してきた。
「なんで泉がしってんの?」
「さっき友達になったから☆」
「はやっ」

いまだ新しい友達0人のあたしたちは声をそろえてそう言った。
「E組の奴ともなかよくなってくるぅ~」
くるっとまわると両手でこっちに手を振りながら走っていった。
「元気だねぇ」
「あたしらもはやく友達つくんなきゃっ――――」
「ねぇねぇ!!」
一人の女の子がこっちに向かって走ってきた。
「ねぇ二人とも名前なんていうと?」
「あたしは千昌。んでこっちが海優☆」






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