SpringLove ~桜みたいに甘い恋~
「どもっ」
とりあえず首でおじぎをした。
「うぉ~!よろしくぅ☆うちは山田はるな、はるなって呼んで。じゃぁーねぇ」
「・・・うぅ・・うん」
あたしたちは一応歯を出して作り笑顔をつくった。
「なんか・・すごかったねぇ・・・千昌」
「うん・・えへへ・・・」

こうしてたくさん友達をつくって二人で中学校生活をエンジョイするはずだった・・・
この二人と出会うまでは・・・・・
  
―体育館―
「入場します」
あくびしながら体育館へはいった。
「えぇ――ご入学おめでとうございます。えぇ――…」
入学式が始まり、すぐに校長先生の長話がはじまった。

きゃぁ―――
さっき廊下で聞いた覚えのある女子の声の3倍近くの声が聞こえた。
その悲鳴で目が覚めた。
「もぉ~うるさいなぁ」
何の騒ぎだろう…
「あぁ!!」
ステージ上には廊下にいたイケメン君がいた。
「新1年生代表の川瀬十哉です」
・・・これが原因か。
「静かにしなさぁい」
毛が薄い教頭先生が顔を真っ赤にして叫んでいた。
それでも女子の悲鳴は少しもおさまらない。
寝起きのあたしたちは椅子の背もたれにあごをのせて目がハートになっている女の子たちをボケ――っと眺めていた。
「すごいねぇ、川瀬十哉かぁ…」
「そんであの笑顔で手ふりまくってんのが泉の言ってた佐久間洸ねぇ…」

≪キーンコ―ンカーンコーン♪≫
「入学式おつかれさまでした。えぇ-2時間目は席替えをします」
先生が目をパッと開いて言った。
「えぇーいまから??」
「めんどくさぁーい」
「先生どうやって決めるんですかぁ???」
いろんな声が飛び交う。

ガラガラッ―――
「はぁ~ざいます」
あくびをしながらはいってきたのはあたしのお兄ちゃん的存在である八神心。
「心!!!」
心のほうへ駆け寄った。
「おぉ海優!」
「心もC組だったんだね」
「よろしくなっ」
「うん!!」
ぐぅーとぐぅーでコンっと音を鳴らした。
小学校から何かがあると決まってしていた二人だけの合図。
「立花さん席に戻って。八神君、どうして遅れたんですか」
「あぁ遅刻っす―――」
ぼそっと呟く心。
「八神くんってかっこいぃ…」
そう呟くのはおっきなリボンをつけているかわいい女の子だった。
「心君のことすきになっちゃったの?」
初対面なのに聞いちゃうのかよ…
「ちょっと千昌何聞いてんのぉ」
「はぁい」
真っ赤になっている顔をみると、なんとなくこの子の気持ちはわかってしまった。

「ハイ、座って。席替えはくじ引きで決めます」
たんたんと引いていくクラスメイトたち。
「願い星、かない星、ミユの、チアキの、近くになれますように」
手を合わせてとなえた。
「あっちゃぁ~あいつらほんとのバカだなぁ(笑)」
また八重歯がみえる。











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