SpringLove ~桜みたいに甘い恋~
「昨日本屋に付き合わされて海優のやつ、必死になっておまじないの本読んでたからな」心が鼻で笑う。
緊張しながら恐る恐る引く千昌。
「31!」
千昌の近くでありますように…
そっと下唇を噛んだ。
「32!!!」

≪キーンコ―ンカーンコーン♪≫
2時間目のおわりのチャイム。
あたしたちの班は6人班。
「この席いいねぇ」
千昌と泉君と、それから心
3人と同じ班になれてよかったぁ~
「でも隣が泉なんてさいやくぅー」
唇を鼻のさきにつける千昌。
「なぁにぃっ!!素直にうれしいって言えばいいだろぉ~」
「いはいおぉ(いたいよぉ)」
泉君にびぃーーっとほっぺをつままれている千昌。
「みゆたふけれぇ~(みゆたすけてぇ)」
笑いながらふと心のほうをみると、心も同じような笑顔で…
こんなぽかぽかしたあったかい感じがあたしは好き。
ずっと一緒にいれるといいなぁ…


「やったぁ!八神君の隣。やっぱりお兄ちゃんにそっくりぃ~」
生徒手帳にはさんである兄の写真を見ながらおっとりしてるさっきの女の子。
お兄ちゃん?心にそっくり??
「八神のこと好きなの?」
女の子に話しかけたのは同じ小学校だった森山杏奈
背が高くキリっとした目に、キャラメル色のパーマのかかった長い髪。
杏奈は小学校のときから学年1いや、学校1のモテ女だった。
「えぇ??」
「もしそうなら相当がんばんなきゃ、あいつ好きな人いるから…」
えぇ心の好きな人?そういえば聞いたことなかったなぁ。
「あぁ忘れてた、あたし森山杏奈です」
「えっとぉ…かっ神崎乃亜ですぅ……」
小柄でかわいい女の子。タレ目でアヒル口、声が高くて小さい。
「あぁ九条姫華ですっ」
「よろしくぅ!」
「そんでやっぱり八神のこと…」
「うん…かっこいいなぁ~って…」
えぇ心のこと好きなんだ!たしかに心、かっこいいかぁ。
「そっか。杏奈はねぇさっき1年の代表であいさつしてた人に一目ぼれしちゃった❤」
はやっ。さすが杏奈…
「乃亜は……」
「乃亜ちゃんはねぇD組のこうちゃん!あぁ佐久間洸っていうんだけどねっ」
おいおぃ杏奈、人の好きな人簡単に言うなよぉ…
「優ぅ…海優っ!!!」
「はいぃーーーっっっ」
あぁ…びっくりしたぁ…ぜんぜん千昌の声聞こえてなかった…
「なにぼぉーっとしてんの。大丈夫?」
「うん。ごめんごめん」

≪キーンコーンカーンコーン♪≫
3時間目のはじまりのチャイムが鳴った。
「えぇー3時間目は係り決めをします」
決めることは3つ。
学級委員・書記・そして体育祭実行委員。
「学級委員に立候補する人はいますか?」
「はい!はい!はぁーい!!」
うるさっ。誰?
「えぇ杏奈?」
「さすが杏奈って感じだけどねぇ…」
千昌が苦笑いで言った。
もう一人手を挙げてるのは…園田?
元同じ小学校の園田葵。あたしはしゃべったことないけど…『結構いい奴』って噂。
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