SpringLove ~桜みたいに甘い恋~
「ではこの二人に学級委員をまかせましょう」
「えぇーなんで園田ぁ?いやだぁー」
千昌は園田がちょー嫌いらしい。
「書記をしたい人はいますか」
先生がそういった瞬間、隣の席の男がさっと手を挙げた。
もう一人は…乃亜……ちゃん?
「ではこれも二人なので書記も決まりました」
先生がひとだんらくとため息をついた。
あと1つ…体育祭実行委員―――。
「体育祭実行委員をしたいなぁ~っていう人はいませんか」
先生がみんなに問いかけるが、誰も手を上げない。
そりゃそうだよ。
みんな入学したばっかで体育祭なんてなにすんのかもわかんないし…。
「ねぇ海優、やろうよ」
えぇまじかよぉ。
まっ楽しそうだしいっか。
「ん―別にいいけどぉ…」
実行委員は男女二人ずつ。
あたしはふと心のほうをみた。
「ん?」

「いいじゃんかぁ~心もやろうよぉ~」
心がいたら心強いしさっ。
「そぉだよ、やろうぜ?」
泉君もいっしょになってさそってくれた。
「しゃぁーねぇなぁ」
まゆげをうえにあげてやさしく微笑んだ。
「じゃぁー4人で立候補しよッ――――」
そう千昌が言いかけた時
「はい!はい!はぁい!あたしも立候補しまぁす❤」
心の右隣の席の姫華が手をあげた。
おいおいおぃ…
ちょっとは空気読まんかいっ!!!

けっきょく多数決で決めることになった。
ちなみに男子は心と泉君に決まった。
みんなが投票箱に紙をいれていく。
あぁ…まだ友達あんまりできてないのにぃ~。
男子は絶対姫華に投票するだろうしぃ~、
女子も絶対元気で明るい千昌に投票するにきまってる!
どぉ―しよぉ…
「海優、大丈夫だかんな」
心はそう言ってくれたけど…
でもぉ…
「大丈夫だよ、海優。もしも海優が落ちちゃったとしたらあたし、実行委員なんてしないからさっ」
千昌はそう言ってくれた。
あたしももしものもしも、千昌が落ちたらこんなのぜったいしない。
そうだ!落ちても大丈夫だ!!
そう思うと自然と体が軽くなった。
「発表します」
新学級委員の園田が投票箱に手を入れる。
「九条1票」
「立花1票」
「藤岡1票」
ぽんぽんよんでいく園田にいちいち喜ぶ姫華。
それを聞いて黒板にメモる隣の席の男の子。
静かに見守る杏奈と乃亜ちゃん。

大丈夫だと思ってもやっぱり無理。
緊張するとすぐにおなかが痛くなるんだ。
隣では千昌がにやにや笑ってるし…
「発表します」
うぅ…
「九条さん11票」
「藤岡さん12票」
「立花さん12票」
「女子実行委員は立花さん、藤岡さんに、男子は日向くん、八神くんに決まりました」
あぁ~~よかったぁ。
「ほらぁ大丈夫て言ったやろ?」
あたしたちは軽くハイタッチした。
「がんばろうね、千昌」
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