蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜想う者は〜‡
ナーリスは、途方にくれていた。
先程まで目と鼻の先にあった三つの石が、突然、忽然と消えたようだ。
「どう言う事???」
急がなくてはならないはずだと言うのに、どうした事だろう。
「うぅ〜★
レン〜ん。
レンちゃ〜ん、どうなってるのか教えてよ〜ぉ☆」
《『おい。
魔女よ。
手がすいたなら手伝え』》
「えぇ〜ぇ★
疲れたしぃ、汚いのヤダ〜ぁ」
《『…歳を…』》
「あっヤダ〜ぁ、手が滑ったぁ☆」
《『ッ危ないではないかっ。
我に当ててどうするっ。
敵はあちらだっ、もうろくしたか…っ』》
「いやだわ〜ぁまたぁ☆」
《『ッッ…う…うむ、分かった…理解した。
…と言うか…言葉を使ってくれ…』》
今のナーリスの攻撃によって、向かって来ていた魔獣が三分の一減った。
流石は魔女と呼ばれる者だと感心する。
「レンちゃ〜ぁん★」
《『情けない声を出すでない。
レンと言うのは、”闇夜の魔女”の事か?』》
「そうよ☆
知ってるの?」
《『…うむ…。
呼ぶか?』》
「ん???
呼べるの???」
《『致し方あるまいて』》
気を込め、名を念じながら高々と吠えた。
『どうした?
デュカ?』
「えっ☆
ウソっ、レン???」
『ナーリス?
あぁ、デュカといるのか。
なら、用があるのはお前の方だな』
「えぇ、そうよ☆
あのね、石がっ…」
『あぁ…分かった。
大丈夫だ。
三つの石…あいつらなら、自分達の役目を理解している。
今頃、それぞれ真に求めてくれる者達の所に言っているはずだ』
「真に求める者達?」
『呪具といっても、元は意志を持った生き物だ。
”求められる事”が力となる。
信仰が命となる神仏と同じだよ』
「なら…っ」
『あぁ、石の方は問題ない。
ナーリスは、瘴穴の方へ。
そろそろ出てくるぞ』
「わかったわ◎」
『デュカも頼むよ。
気をつけてな』
《『貴女も…無茶をされぬように』》
『ふふっ。
今度会いに行くよ』
《『…っわかった…』》
遠退いていく気配。
久方ぶりに聞いた声は懐かしくて、嬉しくなった。
これだけでも、ついてきた甲斐があったと言うものだ。
「…デュカ…レンとは……っ恋人ッとか?」
《『ッッバカ者っ。
そうではない…いわゆる名付け親だ…』》
「…ふぅ〜ん…。
まぁ、良いわ◎
とりあえず瘴穴ね☆
リュスナも向かってるみたい。
あの子が着く前に辿り着かなくちゃ、また無茶しそうだしね☆
行くわよ」
駆けながら思う。
ナーリスには気付かれただろうか。
あの方への想いに…。
だが、今はと思う。
姫の為にも、今はこの状況をどうにかしなければ。
ナーリスは、途方にくれていた。
先程まで目と鼻の先にあった三つの石が、突然、忽然と消えたようだ。
「どう言う事???」
急がなくてはならないはずだと言うのに、どうした事だろう。
「うぅ〜★
レン〜ん。
レンちゃ〜ん、どうなってるのか教えてよ〜ぉ☆」
《『おい。
魔女よ。
手がすいたなら手伝え』》
「えぇ〜ぇ★
疲れたしぃ、汚いのヤダ〜ぁ」
《『…歳を…』》
「あっヤダ〜ぁ、手が滑ったぁ☆」
《『ッ危ないではないかっ。
我に当ててどうするっ。
敵はあちらだっ、もうろくしたか…っ』》
「いやだわ〜ぁまたぁ☆」
《『ッッ…う…うむ、分かった…理解した。
…と言うか…言葉を使ってくれ…』》
今のナーリスの攻撃によって、向かって来ていた魔獣が三分の一減った。
流石は魔女と呼ばれる者だと感心する。
「レンちゃ〜ぁん★」
《『情けない声を出すでない。
レンと言うのは、”闇夜の魔女”の事か?』》
「そうよ☆
知ってるの?」
《『…うむ…。
呼ぶか?』》
「ん???
呼べるの???」
《『致し方あるまいて』》
気を込め、名を念じながら高々と吠えた。
『どうした?
デュカ?』
「えっ☆
ウソっ、レン???」
『ナーリス?
あぁ、デュカといるのか。
なら、用があるのはお前の方だな』
「えぇ、そうよ☆
あのね、石がっ…」
『あぁ…分かった。
大丈夫だ。
三つの石…あいつらなら、自分達の役目を理解している。
今頃、それぞれ真に求めてくれる者達の所に言っているはずだ』
「真に求める者達?」
『呪具といっても、元は意志を持った生き物だ。
”求められる事”が力となる。
信仰が命となる神仏と同じだよ』
「なら…っ」
『あぁ、石の方は問題ない。
ナーリスは、瘴穴の方へ。
そろそろ出てくるぞ』
「わかったわ◎」
『デュカも頼むよ。
気をつけてな』
《『貴女も…無茶をされぬように』》
『ふふっ。
今度会いに行くよ』
《『…っわかった…』》
遠退いていく気配。
久方ぶりに聞いた声は懐かしくて、嬉しくなった。
これだけでも、ついてきた甲斐があったと言うものだ。
「…デュカ…レンとは……っ恋人ッとか?」
《『ッッバカ者っ。
そうではない…いわゆる名付け親だ…』》
「…ふぅ〜ん…。
まぁ、良いわ◎
とりあえず瘴穴ね☆
リュスナも向かってるみたい。
あの子が着く前に辿り着かなくちゃ、また無茶しそうだしね☆
行くわよ」
駆けながら思う。
ナーリスには気付かれただろうか。
あの方への想いに…。
だが、今はと思う。
姫の為にも、今はこの状況をどうにかしなければ。