蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜魔物殲滅〜‡
「くっ…っ」
城内を散々駆け回り、魔獣を倒し続けた。
ラダ、春臣、マルス。
見つけても、ことごとく何者かによって、違う空間へと連れ去られてしまう。
悪いものではないと思う。
害を成そうとしている訳ではなく、どちらかと言えば、守護のような気を感じた。
何より、あの闇の中から救い出された。
だから、三人は大丈夫だろう。
問題は…。
「くっ…少しきつくなってきたな…っ」
先程から出会う魔獣達の数が増えている。
更に、どうやら手強いものが出てきているようだ。
最初のように、一撃必殺とは行かなくなっている。
《グルラァァ》
ノシノシと、狼に似た魔獣を避けながらも向かってくるのは、人に近い容姿をしている魔物。
チンパンジーかゴリラのように丸い大柄ではなく、ヒョロリと腕や足が長い。
もちろん、その胴体も、城の高い天井につこうかと言うほどだ。
〔アラル・バルスッ〕
力強く唱えたのは、電撃系の中級魔術だ。
太い光の柱が数本突き刺さるように上空の魔法円から降り注ぐ。
《ゥッグルラァァッ》
《ガラルゥゥっ》
何匹かの魔獣は塵となって消えたが、魔物は、膝をつく程度のようだ。
「それならッッ…」
〔ラナ・ムルク・サティファ・ウルスッ〕
物理的殺傷能力の高い魔術。
上方と前後に大きく展開された魔法円から、鋭く尖った太い木の枝の様な物が飛び出し、魔物を貫いた。
《グルルルラァァッッ…》
魔物は、そのままバッと黒い塵となって消えた。
「ふぅ…」
「かなりえげつないわね…でも、流石はリュスナ…★」
「っナーリス!?
見てたんですか…」
「えぇ…あんな魔術、どこで知ったのよ…」
「城にあった魔術書ですよ。
城攻めの時に使うんです。
城の解体用に…」
「恐い子ねぇ…★
まっ…まぁ、こうして役に立ってるから良いとするわ☆」
《『姫は敵に回すべきではないと再認識したぞ…』》
気まずい。
確かに、かなりえげつない術だ。
魔術書も、殲滅戦を得意とした最強の黒魔術師、『アルサーシス・ガルン』の著ではあった。
ナーリスとデュカと共に瘴気の濃くなっていく方へと走る。
「さっきの、アルサーシスのよね…?
まだあったんだ…」
「?…やっぱり、あの魔術書はまずかったでしょうか…?」
「うぅぅ★
あの人的には、使い方次第って言ってたし…城にあったなら、もうないわよね」
「?えぇ、焼けたはずですッ」
〔ラナ・アラル・バルカスッ〕
とっさに発動させたのは広範囲に展開される上級電撃魔術。
一気に魔獣の数が減っていく。
「くっ…っ」
城内を散々駆け回り、魔獣を倒し続けた。
ラダ、春臣、マルス。
見つけても、ことごとく何者かによって、違う空間へと連れ去られてしまう。
悪いものではないと思う。
害を成そうとしている訳ではなく、どちらかと言えば、守護のような気を感じた。
何より、あの闇の中から救い出された。
だから、三人は大丈夫だろう。
問題は…。
「くっ…少しきつくなってきたな…っ」
先程から出会う魔獣達の数が増えている。
更に、どうやら手強いものが出てきているようだ。
最初のように、一撃必殺とは行かなくなっている。
《グルラァァ》
ノシノシと、狼に似た魔獣を避けながらも向かってくるのは、人に近い容姿をしている魔物。
チンパンジーかゴリラのように丸い大柄ではなく、ヒョロリと腕や足が長い。
もちろん、その胴体も、城の高い天井につこうかと言うほどだ。
〔アラル・バルスッ〕
力強く唱えたのは、電撃系の中級魔術だ。
太い光の柱が数本突き刺さるように上空の魔法円から降り注ぐ。
《ゥッグルラァァッ》
《ガラルゥゥっ》
何匹かの魔獣は塵となって消えたが、魔物は、膝をつく程度のようだ。
「それならッッ…」
〔ラナ・ムルク・サティファ・ウルスッ〕
物理的殺傷能力の高い魔術。
上方と前後に大きく展開された魔法円から、鋭く尖った太い木の枝の様な物が飛び出し、魔物を貫いた。
《グルルルラァァッッ…》
魔物は、そのままバッと黒い塵となって消えた。
「ふぅ…」
「かなりえげつないわね…でも、流石はリュスナ…★」
「っナーリス!?
見てたんですか…」
「えぇ…あんな魔術、どこで知ったのよ…」
「城にあった魔術書ですよ。
城攻めの時に使うんです。
城の解体用に…」
「恐い子ねぇ…★
まっ…まぁ、こうして役に立ってるから良いとするわ☆」
《『姫は敵に回すべきではないと再認識したぞ…』》
気まずい。
確かに、かなりえげつない術だ。
魔術書も、殲滅戦を得意とした最強の黒魔術師、『アルサーシス・ガルン』の著ではあった。
ナーリスとデュカと共に瘴気の濃くなっていく方へと走る。
「さっきの、アルサーシスのよね…?
まだあったんだ…」
「?…やっぱり、あの魔術書はまずかったでしょうか…?」
「うぅぅ★
あの人的には、使い方次第って言ってたし…城にあったなら、もうないわよね」
「?えぇ、焼けたはずですッ」
〔ラナ・アラル・バルカスッ〕
とっさに発動させたのは広範囲に展開される上級電撃魔術。
一気に魔獣の数が減っていく。