蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜突然の強襲〜‡
「これを…」
祖父に渡されたのは、真っ白な箱。
そして、その箱を開ける小さな鍵。
「中には手紙と、”鍵”が入っている」
「何の”鍵”なのです?」
「世界を渡る為の”鍵”だよ」
手にした箱は冷たくて、何か神性な物のように感じた。
「その”鍵”を使うか使わないかは、蒼葉の自由だ。
けど、一つだけ…必ず帰ってきてくれ。
過去がどうであったかは僕は知らない。
だけど今生きている君は、この世界の蒼葉だから。
君が居なくなったらさみしい…」
「…お祖父様…」
「約束してくれるかい?」
「はい。
必ず…」
その答えに満足したのか、窓から射す光の中で、祖父は優しく微笑んでいた。
ガッシャン!
《…っちにっ…捕まえろっ…》
《!きゃっ…》
「なんだい?」
「様子を見て来ます」
「ッ旦那様っ。
侵入者がッ…ッ!!」
「木坂さんっ!」
家令の木坂が扉の所で何者かに昏倒させられるのを見て、とっさに祖父を背後に庇う。
現れた侵入者は黒の服に顔も目元まで覆っている。
「誰ッ?」
倒れた木坂をまたぎ、同じ様な格好の男が全部で三人。
「渡せ」
「何を…っ」
「その箱の中だ」
手にした箱を指さされ、一瞬手元に目を向ける。
「中身を知っているの?
何者ですっ?」
「…大人しく渡せ」
昔の私ならば、こんな男どもに負けはしない。
祖父を守っていたとしても、勝てるはずだ。
だが、今生で実践経験はない。
身体もあの頃とは筋肉の付き方も変わっている。
できるだろうか…。
そっと足幅を広げる。
ゆっくりと体重を下に落とし、利き足に重心をのせる…とその時、祖父が動いた。
「いいだろう。
だが、この箱は大切な物なんだ。
できれば、中身だけ持っていってくれないか?」
「…良いだろう。
開けろ」
「っお祖父様??」
「良いんだよ。
君も、何が入っているかだけは見たいだろ?
…今開けるよ」
そうして、何の躊躇もなく祖父は箱を開け、そっと中身をテーブルに出した。
「これを…」
祖父に渡されたのは、真っ白な箱。
そして、その箱を開ける小さな鍵。
「中には手紙と、”鍵”が入っている」
「何の”鍵”なのです?」
「世界を渡る為の”鍵”だよ」
手にした箱は冷たくて、何か神性な物のように感じた。
「その”鍵”を使うか使わないかは、蒼葉の自由だ。
けど、一つだけ…必ず帰ってきてくれ。
過去がどうであったかは僕は知らない。
だけど今生きている君は、この世界の蒼葉だから。
君が居なくなったらさみしい…」
「…お祖父様…」
「約束してくれるかい?」
「はい。
必ず…」
その答えに満足したのか、窓から射す光の中で、祖父は優しく微笑んでいた。
ガッシャン!
《…っちにっ…捕まえろっ…》
《!きゃっ…》
「なんだい?」
「様子を見て来ます」
「ッ旦那様っ。
侵入者がッ…ッ!!」
「木坂さんっ!」
家令の木坂が扉の所で何者かに昏倒させられるのを見て、とっさに祖父を背後に庇う。
現れた侵入者は黒の服に顔も目元まで覆っている。
「誰ッ?」
倒れた木坂をまたぎ、同じ様な格好の男が全部で三人。
「渡せ」
「何を…っ」
「その箱の中だ」
手にした箱を指さされ、一瞬手元に目を向ける。
「中身を知っているの?
何者ですっ?」
「…大人しく渡せ」
昔の私ならば、こんな男どもに負けはしない。
祖父を守っていたとしても、勝てるはずだ。
だが、今生で実践経験はない。
身体もあの頃とは筋肉の付き方も変わっている。
できるだろうか…。
そっと足幅を広げる。
ゆっくりと体重を下に落とし、利き足に重心をのせる…とその時、祖父が動いた。
「いいだろう。
だが、この箱は大切な物なんだ。
できれば、中身だけ持っていってくれないか?」
「…良いだろう。
開けろ」
「っお祖父様??」
「良いんだよ。
君も、何が入っているかだけは見たいだろ?
…今開けるよ」
そうして、何の躊躇もなく祖父は箱を開け、そっと中身をテーブルに出した。