蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜おとぎ話〜‡
「姉ちゃんっ来たよっ」
「あぁ。
彩さんにもちゃんと?」
「うん。
母ちゃんに姉ちゃんの部屋でおとまりって言ってきた。
バッチリだよっ」
「よし。
それじゃぁ、皆が眠るまで少し寝ておきな。
起こしてあげるから」
「う〜ん…ねれるかな?
姉ちゃん、何かお話して…」
「ふふ。
イイよ。
はい、じゃぁ、お布団入って」
「うんっ。
わ〜おっきいベッドっ。
まん中遠いっ」
はしゃぎながらベッドの中央によじ登り、布団に潜り込む快に微笑みながら、自身も隣に寝転ぶ。
「じゃぁ、イル達妖精のお話をしてあげよう…。
彼らは自然の精霊、”ナルス”と言われる種族だ。
ナルスは”フルバ”と呼ばれる精霊王の住む場所の管理をする役目を持っている」
「じゃぁ、母ちゃんみたいにお掃除したりするの?」
「ふふっそう。
周りの草木を育て、川の水をキレイにする。
風を呼び、自然の気を整える。
彼らの周りは、精霊王を中心に清らかで美しい世界が広がっていた…。
ある時人間の王が、配下の者に”ナルス”を数匹捕まえてくるように命た。
城に連れて帰らせ、一匹ずつ籠に入れ部屋の隅に吊るし、怯える彼らに気を整えるように命じると…。
王はみるみる若返り、七十代半ばであった身体が、二十代の青年の姿になった。
喜んだ王は、精力的に他国と戦争を始めた。
その王には王子がなく、いるのは姫一人。
それも身体が弱く、彼女は常に病床にあった。
だからこそ、青年となった王は自身の御代を再び謳歌する事ができ、何の悩みもなくなった事を喜んだ。
月日が流れる中、捕らえられた”ナルス”達は、声なき声で願い続けた。
『ここから出してください』
『精霊王の庭へ帰りたい』…と。
いくつもの満月を数え、ある夜ヒタヒタと素足の足で静かに姫が訪れた。
病で痩せ細ってはいたが、金の髪の美しい姫だった。
姫は彼らに言いました。
『呼んでいたのはあなた達?出してあげますから、私を精霊王の庭へ連れて行ってくださいませんか?』
そう言う姫に…」
隣を見れば、すやすやと快が眠っていた。
あどけない寝顔を見て、そっと頭を撫でた。
「おやすみ」
「姉ちゃんっ来たよっ」
「あぁ。
彩さんにもちゃんと?」
「うん。
母ちゃんに姉ちゃんの部屋でおとまりって言ってきた。
バッチリだよっ」
「よし。
それじゃぁ、皆が眠るまで少し寝ておきな。
起こしてあげるから」
「う〜ん…ねれるかな?
姉ちゃん、何かお話して…」
「ふふ。
イイよ。
はい、じゃぁ、お布団入って」
「うんっ。
わ〜おっきいベッドっ。
まん中遠いっ」
はしゃぎながらベッドの中央によじ登り、布団に潜り込む快に微笑みながら、自身も隣に寝転ぶ。
「じゃぁ、イル達妖精のお話をしてあげよう…。
彼らは自然の精霊、”ナルス”と言われる種族だ。
ナルスは”フルバ”と呼ばれる精霊王の住む場所の管理をする役目を持っている」
「じゃぁ、母ちゃんみたいにお掃除したりするの?」
「ふふっそう。
周りの草木を育て、川の水をキレイにする。
風を呼び、自然の気を整える。
彼らの周りは、精霊王を中心に清らかで美しい世界が広がっていた…。
ある時人間の王が、配下の者に”ナルス”を数匹捕まえてくるように命た。
城に連れて帰らせ、一匹ずつ籠に入れ部屋の隅に吊るし、怯える彼らに気を整えるように命じると…。
王はみるみる若返り、七十代半ばであった身体が、二十代の青年の姿になった。
喜んだ王は、精力的に他国と戦争を始めた。
その王には王子がなく、いるのは姫一人。
それも身体が弱く、彼女は常に病床にあった。
だからこそ、青年となった王は自身の御代を再び謳歌する事ができ、何の悩みもなくなった事を喜んだ。
月日が流れる中、捕らえられた”ナルス”達は、声なき声で願い続けた。
『ここから出してください』
『精霊王の庭へ帰りたい』…と。
いくつもの満月を数え、ある夜ヒタヒタと素足の足で静かに姫が訪れた。
病で痩せ細ってはいたが、金の髪の美しい姫だった。
姫は彼らに言いました。
『呼んでいたのはあなた達?出してあげますから、私を精霊王の庭へ連れて行ってくださいませんか?』
そう言う姫に…」
隣を見れば、すやすやと快が眠っていた。
あどけない寝顔を見て、そっと頭を撫でた。
「おやすみ」