蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜秘密の庭〜‡
「快、起きて」
「ん〜ぅん」
まだはっきりとしない頭で返事をする。
目を開けてみれば、そこにのぞきこむ姉ちゃんの顔があって、ビックリした。
「っあッおはようっ」
「うん、おはよう。
今二時くらいだから、良い時間だよ」
「そうだったっ」
そうだ。
今夜はこれから、イル達の住む場所で誕生会をしてくれるんだった。
もう昨日だけど、僕は十歳になったんだ。
「行くよ。
静かにね」
「うんっ」
乱れた髪を撫で付け、蒼葉の後に続く。
一階まで下りて階段下の物置へ。
「足下気をつけて。
手をつなごう」
「うん」
ドキドキと胸が高鳴ってしょうがない。
この屋敷には生まれた時から住んでいるのに、自分がまだ知らない場所があるなんて思わなかった。
姉ちゃんは、迷わず進んで、壁に何かをすると、ゆっくりと手を引かれた。
真っ暗でほとんど何も見えない。
「もっとこっちにおいで。
扉を閉めるよ」
小さな声で言われ、くいっと引っ張られると、トンっと姉ちゃんの身体に当たった。
扉が閉まるのを気配で感じ、すぐに明かりがついた。
「静かにね。
一番上まで上るんだ」
長い階段を黙々と上がっていくと、カッコいい飾り扉があった。
姉ちゃんが何かを扉に押し当てると、ノブが飛びだしてきて、ゆっくり押し開いた。
扉の向こうには、きれいな星空が広がっていた。
「うわ〜ッ」
〔むみ〜ぃ《かい〜》〕
「うおっイルっ」
〔みゅみぃ〜《いらっしゃい〜》〕
〔〔〔みみゅ〜《ようこそ〜》〕〕〕
「うわぁッッ」
下を見れば、小さな精霊達が足下に群がって跳ねていた。
「すごいっ。
こんなにたくさんっ」
「ははっ。
快は人気者だ」
精霊達は、キラキラと煌めく光を纏っていて、とても幻想的だ。
まるでおとぎ話の中に入り込んだようで、不思議な感覚が広がる。
〔よう来た。
姫、そしてイルの友人殿〕
前に現れたのは、白い髭をたっぷり生やした人形の様に可愛らしいおじいちゃんの精霊だった。
「快、起きて」
「ん〜ぅん」
まだはっきりとしない頭で返事をする。
目を開けてみれば、そこにのぞきこむ姉ちゃんの顔があって、ビックリした。
「っあッおはようっ」
「うん、おはよう。
今二時くらいだから、良い時間だよ」
「そうだったっ」
そうだ。
今夜はこれから、イル達の住む場所で誕生会をしてくれるんだった。
もう昨日だけど、僕は十歳になったんだ。
「行くよ。
静かにね」
「うんっ」
乱れた髪を撫で付け、蒼葉の後に続く。
一階まで下りて階段下の物置へ。
「足下気をつけて。
手をつなごう」
「うん」
ドキドキと胸が高鳴ってしょうがない。
この屋敷には生まれた時から住んでいるのに、自分がまだ知らない場所があるなんて思わなかった。
姉ちゃんは、迷わず進んで、壁に何かをすると、ゆっくりと手を引かれた。
真っ暗でほとんど何も見えない。
「もっとこっちにおいで。
扉を閉めるよ」
小さな声で言われ、くいっと引っ張られると、トンっと姉ちゃんの身体に当たった。
扉が閉まるのを気配で感じ、すぐに明かりがついた。
「静かにね。
一番上まで上るんだ」
長い階段を黙々と上がっていくと、カッコいい飾り扉があった。
姉ちゃんが何かを扉に押し当てると、ノブが飛びだしてきて、ゆっくり押し開いた。
扉の向こうには、きれいな星空が広がっていた。
「うわ〜ッ」
〔むみ〜ぃ《かい〜》〕
「うおっイルっ」
〔みゅみぃ〜《いらっしゃい〜》〕
〔〔〔みみゅ〜《ようこそ〜》〕〕〕
「うわぁッッ」
下を見れば、小さな精霊達が足下に群がって跳ねていた。
「すごいっ。
こんなにたくさんっ」
「ははっ。
快は人気者だ」
精霊達は、キラキラと煌めく光を纏っていて、とても幻想的だ。
まるでおとぎ話の中に入り込んだようで、不思議な感覚が広がる。
〔よう来た。
姫、そしてイルの友人殿〕
前に現れたのは、白い髭をたっぷり生やした人形の様に可愛らしいおじいちゃんの精霊だった。