蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜安息の時〜‡
「っ…あのっ…」
真っ赤になって口を押さえる春臣は、しどろもどろと言う言葉がぴったりなくらい慌てていた。
思わず出てしまったようだ。
「ふふっ」
笑える。
いつもは、妙にスカして大人ぶっているのに、今は子どものようだ。
「……」
まだ目の泳いでいる春臣を見て、うれしく思う。
微笑んだままゆっくりと一度目をつむる。
心地良い。
彼と居ると、肩の力が抜けるようだ。
「じゃぁ、昔みたいに今日は一緒に寝てくれない?」
そう言って寝室に向かう。
ついて来ない春臣を手招くと、ぎくしゃくとついてきた。
寝室に入ると目に入るのは、祖父がおもしろがって、まだ十歳になったばかりの孫に買い与えたベッド。
特大のキングサイズだ。
子どもらしく甘えない私に、『大きすぎて怖い』と言わせたかったらしい。
『一緒に寝て』と可愛くねだられたかったのにと父と祖父が呟いていたのを聞いた事がある。
大人五人が余裕で横になれる大きさのベッドは、あまり使わない私としてはもったいない。
「電気を消して。
早く寝よう」
一人さっさとベッドに潜り込み言えば、すぐに電気が消えた。
言い出したら絶対の私の性格を知っている春臣は、のそのそと反対側に入り込んだようだ。
そっとそちらを見れば、かなり距離のあるベッドの反対側で、背を向けていた。
静かに起き上がって中央近くまで行き寝転ぶと、春臣の背に話し掛ける。
「もっとこっちに…。
それじゃぁ遠いよ」
小さい時は、そっと抱いて眠ってくれた。
勿論、子どもだったからだとわかっている。
だが、今日はその子どもの頃のように眠りたいと思った。
待っていれば、そっと横に移動してきた。
そして、少し戸惑いながらも手を回してくる。
さりげなくこちらから彼の胸に擦り寄り、目を閉じた。
安心感で満たされていくのを感じる。
だから確信を持って思える。
きっと今日はあの夢を見ない。
安心して休むことができるだろう…と。
「っ…あのっ…」
真っ赤になって口を押さえる春臣は、しどろもどろと言う言葉がぴったりなくらい慌てていた。
思わず出てしまったようだ。
「ふふっ」
笑える。
いつもは、妙にスカして大人ぶっているのに、今は子どものようだ。
「……」
まだ目の泳いでいる春臣を見て、うれしく思う。
微笑んだままゆっくりと一度目をつむる。
心地良い。
彼と居ると、肩の力が抜けるようだ。
「じゃぁ、昔みたいに今日は一緒に寝てくれない?」
そう言って寝室に向かう。
ついて来ない春臣を手招くと、ぎくしゃくとついてきた。
寝室に入ると目に入るのは、祖父がおもしろがって、まだ十歳になったばかりの孫に買い与えたベッド。
特大のキングサイズだ。
子どもらしく甘えない私に、『大きすぎて怖い』と言わせたかったらしい。
『一緒に寝て』と可愛くねだられたかったのにと父と祖父が呟いていたのを聞いた事がある。
大人五人が余裕で横になれる大きさのベッドは、あまり使わない私としてはもったいない。
「電気を消して。
早く寝よう」
一人さっさとベッドに潜り込み言えば、すぐに電気が消えた。
言い出したら絶対の私の性格を知っている春臣は、のそのそと反対側に入り込んだようだ。
そっとそちらを見れば、かなり距離のあるベッドの反対側で、背を向けていた。
静かに起き上がって中央近くまで行き寝転ぶと、春臣の背に話し掛ける。
「もっとこっちに…。
それじゃぁ遠いよ」
小さい時は、そっと抱いて眠ってくれた。
勿論、子どもだったからだとわかっている。
だが、今日はその子どもの頃のように眠りたいと思った。
待っていれば、そっと横に移動してきた。
そして、少し戸惑いながらも手を回してくる。
さりげなくこちらから彼の胸に擦り寄り、目を閉じた。
安心感で満たされていくのを感じる。
だから確信を持って思える。
きっと今日はあの夢を見ない。
安心して休むことができるだろう…と。