大好きな君と
ココ。斎藤カフェと書いてある看板があるカフェを指差し私を手招きした。

ドアを開け、中に入る。
冷房がすごく効いていて、ひんやりとした。

優しそうなおじさんがお客さんと仲良さそうに話していた。


「マスター、お客さん」

マスターか。

「いらっしゃい。」

すぐに私に気付き優しい笑顔でほほ笑むとすぐ視線を圭ちゃんにうつした。

「そこ、座っていいよ?」

「うん、ありがと」

圭ちゃんが、指をさした席に座る。
こんなカフェあったんだぁ・・・・珍しそうに、周りをキョロキョロと見渡す。

「はい。」

そういいながら私の前に来たのは圭ちゃん。
イチゴのソースがかかった、おいしそうなかき氷を私の目の前におく。
おいしそう・・・

「いる?」

「いりますっ!!」

「ハハハッ、俺はコレっ」

私があまりにも喜んだものだから、圭ちゃんは大げさに笑い
体の後ろに隠れていた、オレンジ色のカキ氷を前に出し、パクパクと
食べ始めた。

「おいしそ・・・いただきっ」

スプーンを圭ちゃんのカキ氷に近づけ、サッと氷たちを救いあげ
自分の口へと運び、頬張る。
甘い味がツーと伝わり、イチゴより、正直おいしかった。

「あっ、俺の!」

「へへへ~♪おいし~、何味?コレ。」

「マンゴーだよ。俺マンゴー超スキ。おいしいだろ?」

「うん!」

その後は、二人共カキ氷に夢中になり、沈黙が続いた。

「んん・・痛っ」

頭を押さえ、ジタバタとする。
頭にキーンと来たのかな?

「大丈夫?」

「あぁ・・・」

「ねぇ、来てあげたお礼に今日は圭ちゃんのおごりってことでいい?」

「しょうがねぇなぁ・・・いいよ、別に。」

「サンキュッ」

パンと手を合わせ、『ごちそうさまでした』と言うと
私は、ひんやりとしたお店を出て、暑い外へと一歩踏み出した。

天国から、地獄に行った気分だった。

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