大好きな君と
私は授業が終わったら明香に話そうと決め黒板の上の時計をじっと見つめる。
黒板を見ているように見えるが実際は時計を見ている。
これは、さぼっているけどサボっても気づかれない最高の方法だ。

時計の秒針が動くたび私の胸は高鳴った。

足で秒針が動くたびにリズムを刻む。

「これで終わり!テストに出るからよく覚えといてくださいね。」

気づけば黒板に書いてあった字は消え、先生は教室にはいない。
テストに出る範囲をノートに書けなかった。ある意味絶望だ。というかこれが本当の絶望だ。

「はぁ~」

机に顎を付け携帯を見る。

絵文字は無くかなり地味なメールだったがそんなメールも悠里にとっては最高だった。

< 76 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop