Do you love“me”?
「いや~ん! お肌スベスベ~! いくつ!? あっ! その前にお名前はっ?」
「えーっと……あの」
私の鼻先――本当に鼻のてっぺんが、くっついちゃいそうなくらいの距離にあるのは、稜君のお姉さんの美しいお顔。
私のほっぺを両手で挟んで、大きな瞳をますます大きく、キラキラとさせている。
「佐々木……美月です。二十四歳です」
「美月ちゃんね! オッケー、覚えた! てか、二十四!? 若~いっっ! そりゃお肌もスベスベよね~!」
「……」
「あれっ!? 稜! アンタいくつだっけ?」
「……二十三」
「じゃー年上? あれっ!? タメ?」
「と、年上です。一歳だけですが……」
「そうなんだぁ! うん、でもその方がいいよ~! だって稜ってば、いつまでも子供でさぁ!」
「そ、そうですか?」
「そうよー! ねぇ、ホントに稜なんかでいいのっ!? 大丈夫!?」
「は、はい……」
病室に戻った私は、ただただ呆気にとられていて。
“巻き込むけど、ごめんね”
稜君のその言葉の意味を、今やっと理解した。
「ねーちゃん、美月ちゃん困ってるから!!」
「えぇっ!! ウソ!! ホントに!? ごめんね!!」
「い、いえ」
慌てて私からパッと離れたお姉さんだったけど、どうやら会話を止めるつもりはないらしい。
「ごめんねー、美月ちゃん! 私、ずーーーっと稜から美月ちゃんの事を相談されててねー?」
「ウソ吐くなよっ!! ねーちゃんが無理矢理聞きだしたんだろー!!」
「もぉー! 稜はうるさいっ! 今、美月ちゃんとお話してるんだから!! ねー、美月ちゃん!」
「あ、はい……」
私の返事に、美しく口角を上げながら満足げに微笑んで“ほらっ!”と稜君に向き直ったお姉さんは、何とも強烈なキャラクター……。