Do you love“me”?
「そうだったんですか……」
お姉さんと、もうちょっと喋ってみたいと思っていた私は、少しションボリしながら呟いた。
だって、稜君は一人暮らしをしているわけだから、きっとこうして会ってお話をする機会なんてそうそうないはず。
そんな私を、また瞳をキラキラとさせながら見たお姉さんは、その細い腕からは想像できないような力で、私をギューッと抱きしめる。
「いやだぁー!! この子、ホンット可愛い!!」
「えぇっっ!?」
「ねーちゃん!! もうホント、いい加減にしろよー!!」
慌てて私を引き離した稜君をつまらなそうに睨んで、「じゃー、せめて美月ちゃんとメアド交換するー」と、不貞腐れたように唇を尖らせた彼女の顔は、やっぱり稜君にそっくり。
「あはははっ!! お姉さんと稜君、そっくり!!」
隣り合う二人の顔を見比べながら、私は堪らず笑ってしまった。
「えー!! ちょっと、やめてよー!」
「ホントだよ美月ちゃんっ!! この人、すごい狂暴なんだから!!」
その私の言葉に、二人で不貞腐れて、また同じ顔で向き合って言い合いを始めるから、それがまた本当におかしくて。
でも、お姉さんに会って、稜君がどうしてこんなに優しい人に育ったのか、それがちょっとわかった気がして、それがまた嬉しかった。